ゆかたの歴史
ゆかたは、湯帷子(ゆかたびら)の略で、もともと貴人が沐浴の時に着用した麻の単衣のことです。
室町時代末期から江戸時代初期にかけて、盆踊りや風流踊りが流行し、華やかな揃いゆかたが庶民の間でも着られるようになりました。
元禄時代には、温泉場で温泉ゆかたが着られ、日本でも木綿の栽培が成功、天保の改革で庶民の絹の着用が禁じられたこともあり、木綿のゆかたが一般に広く用いられるようになりました。
以来、ゆかたは、夕方からの肌触りの良い湯上り着として、男女子供を問わず寝巻きとして、高温多湿な夏の日常着や外出着として、盆踊りや夏祭りの揃いゆかたとして、日本の衣生活に欠くことのできないものになりました。
浴衣は日常着のため、また、着用後はおむつに仕立て直して使われて、廃棄されたため、古い浴衣はあまり残ってないとのことです。文化学園服飾博物館所蔵の浴衣を見ると、明治から昭和初期の浴衣の絞り染、型染めの模様として、藍染の美しい模様が多く見られます。
近年、梅雨が明けると、七夕、盆踊り、朝顔市、花火大会、お盆と、方々で若い人たいの浴衣姿を見かけるようになりました。夏を楽しむために浴衣を着る「浴衣ブーム」は、平成2年ごろより始まり、以来、若い人たちの浴衣は、カラフルで、パワフルなものとなり、従来の浴衣の印象から一変した感があります。浴衣は、若い男女が洋服一辺倒の生活からの気分転換に、ファッショナブルなおしゃれ着として活用されています。
ゆかたの形と名称
ゆかたの構成
ゆかたは、着尺1反(幅36cm、長さ1140~1200cm)の布を必要枚数に裁断して、各布を縫い合わせて構成します。近年キングサイズと称して、男物は38~40cm幅の反物も普通になってきました。
「そで」「身ごろ」各2枚、「えり」1枚のほかに、前を合わせたときの身幅の不足を補うため、半幅(ゆかたの布地の半分の幅)の「おくみ」、また、えりの上に重ねてつける「かけえり」を裁断します。